「世界一キライなあなたに」(2016) は大人気ドラマの「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークと「あと1cmの恋」のサム・クラフリンで贈るラブストーリー。
切ない号泣を誘うラブストーリーの中に「自分の意志で死を選ぶ」という壮大なテーマが含まれており、賛否両論を巻き起こしているラストが見どころの映画。ネタバレありの内容になっております。
「世界一キライなあなたに」のキャスト
エミリア・クラーク (ルイーザ・クラーク/ルー役)
誕生日:1986年10月23日
出身:イングランド / ロンドン
ジョージ・R・Rマーティン原作のダークファンタジー小説をドラマ化した「ゲーム・オブ・スローンズ」(11〜)で王女デナーリス・ターガリエンを演じて注目を浴びる。2012年には米映画サイトが選ぶ「世界で最も美しい顔100」の第1位に選ばれました!
その後も「ターミネータ・ジェネシス」(2015) でサラ・コナー役に大抜擢されたり、「ハン・ソロ スターウォーズシリーズ」(2018) に出演したりと活躍の場を広げているイギリスの若手トップ女優の1人。
サム・クラフリン(ウィル・トレイナー役)
誕生日:1986年6月27日
出身:イングランド / サフォーク
サムは有名な作品に数多く出演しています。
パイレッツレッツ・オブ・カリビアン / 生命の泉 (2011)
ハンガーゲーム2 (2013)、ハンガーゲームFINALレジスタンス (2014)
あと1cmの恋 (2016)
「世界一キライなあなたに」は実話?あらすじ
「世界一キライなあなたに」(2016年製作・公開)
原作:Me before You / 君と選んだ明日
主人公ルー(エミリア・クラーク) は、イギリスの田舎街のカフェでウェートレスとして働いている。オシャレ大好きでファッション関係の仕事をしたいという夢を持っているが、職を失った両親と家族を養う為に家系を支えている。しかし、そのカフェが閉店して失業してしまい、新しい仕事として富豪の障害者のお世話係の仕事を始める事になる。6ヶ月期間限定で、バイクの事故で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失った元青年実業家ウィル (サム・クラクリン) の介護とお話し係を担当することになった。
不慮の事故でかたくなに心を閉ざしたウィルは、最初はルーに冷たい態度をとっていたが、次第にルーの明るさや優しさに心を開いていき、2人の距離が縮まっていく。しかし、ルーはウィルが自分の人生に期限をつけていることを知ってしまう・・・
850万部を超える大ベストセラーが原作
原作:「Me before You 君と選んだ明日」(2012)
著者:イギリス人作家ジョジョ・モイーズ
世界40カ国で翻訳
累計発行部数850万部を超える大ベストセラー
この物語は実話ではありません。
原作者によると、元英国のラグビー選手で全身麻酔になった選手がスイスの自殺ほう助機関「ディグニタス」で両親の許可を得て安楽死を遂げたという実話を元に書いた作品らしいです。
「世界一キライなあなたに」感想
ロマンス映画ではありますが、「死と生の選択」や尊厳死という重要なテーマを扱っていますので、最後の結末には賛否両論ありますね。
美男美女の涙をそそるラブストーリーなんですけど、好きという気持ちだけではどにもならない、自分のアイデンティティーの領域というか、「生きるとは?」という概念を考えさせられる機会を与えられる物語ではないでしょうか?
ルーは家族の為に自分の人生を犠牲にして生活をしていました。素敵な彼氏、仲の良い家族、結構楽しい仕事・・・家族の役に立ててる喜び。
そんな生活をしていたルーの前に、ウィルが現れた。全てを持っていた男が一瞬の事故で全てを失った男になって。ウィルのツラさは健常者の私には何も言えないと思います。ルーが親切に対応することなど全てが腹のたつこと、彼の苛立ちはルーの行動ではなく、彼自身への受け入れられない、消化しきれない感情の裏返し。
しかし次第にルーの献身的な介護にウィルは心を開いていくんですよね。そしてルーは恋愛感情をウィルに持つようになります。
ウィルもルーに対して特別な感情を抱くようになり、しばらくは2人で人生を楽しむ時間を過ごしていく。ウィルが障害者以外は普通のカップル、むしろ韓国ドラマのようなシンデレラストーリーですよね。でもこの映画の大きなところは、こんな風に愛情を感じていても、ウィルは自らの生命を断つことを選択します。
これはルーにとっては、本当にツラい選択ですよね。私がいるのに?私は彼を救えないの?
いわゆるウィルは尊厳死を選びます。今の自分の状況、未来に絶望して生きる意志を完全に失ってしまうんですよね。結末に賛否両論あるというのは、こういった状況でも死を選ぶのは正しくないという意見と、自分の人生だからその人の自由だと賛成する意見と別れているんですね。
あなたはどう思いますか?自分だったらどうするでしょう?そんな質問されたってわからないですよね。だから、ジャッジする資格はないと私は思いました。スイスにそれを行える機関があるということが事実。両親や周りの人の説得は愛でもあるとは思いますが、エゴでもあるんじゃないかな。だって、ツラいのは本人だから。その人生の責任をとっていくのは誰でもなく本人だから。もちろん生きていて欲しいの当然だけど、それを押し付ける権利は誰にもないと思う。
尊厳死の取り扱いはとても繊細なテーマではあるけど、自分がこの状況だったらどうだろう?大切な人が同じ状況になったらどうだろう?と考える機会を与えられたってだけでも、この映画を見る価値はあると思います。
あたり前の目の前のことがいかに恵まれていることか?自分にないものばかり、不足にばかり意識を向けて過去や未来に翻弄される生き方をしていると、今を生きるということを蔑ろにしてしまいます。
生きる選択をしている以上、自分の人生を思いっきり楽しむ!自分を幸せにする!ってことが私たちの使命でなないでしょうかね!
壮大なテーマがある映画ですが、ピュアに人を愛おしく思うこと、人生に向き合うってことを教えてくれる映画です。
多分涙が出る方が多いと思うので、ハンカチを持って是非見てくださいw
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